レースにおいて

レースでの駆け引きは、やってみないとわからないと言うのが本当です。
しかし、「相手の心の読み」ができないと、追い抜くことはできません。また、ブロックすることもできません。
その、「読み合い」のヒントをここに書きます。


実際の「追い抜き」はどちらかというと、「相手のに出て押さえ込む」と言った表現のほうが正しいかもしれません。
前に出て、相手にお尻を見せた方が勝ちなのです。
ここで、「前にいる相手」の心理としては、次のようになります。

1・本当はレコードラインを取って離していきたい。
2・しかし、インがガラ空きになる。
3・ブロックラインでは遅くなる。
4・相手は、今どちら(右左)にいるんだろう


といったところです。後ろにいる相手の心理としては、

 1・前がレコードラインを取ったらインに入りたい。
2・しかし、抜けなかったらインに入った分遅くなる。
3・ブロックラインを取っられたら無理しないでコーナーリングスピードを稼ぎたい。
4・相手は次にどちらに行くのだろう。


といったところです。

つまり、どちらも1〜4まで逆のことを考えているわけです。
ここで、相手のパターンを読めれば前走の場合は「離す」事ができるわけですし、追走の場合は「追い抜き」ができるわけです。
そこで、追走の場合は「必要以上」に自分の姿を見せることが重要で、できるだけブロックラインを取らせて詰めていくことが大事です。
後ろから見ていると「コーナーに入っていくときの相手の癖」がだんだんわかってきます。
そして、そのポイント目掛けて突っ込んでいく必要があります。
が、その「癖」をこちらから作ってやらない限り、なかなかオーバーテイクまでは出来ません。 ヒントとして、旧フォーミュランド仙台でのオーバーテイクラインを載せておきます。
レコードラインの図と比べてください。

fcr.jpg fsc.jpg

前を走っている方としては、イン側に姿が見えたときほど緊張するものはありません。
次の周回、そのコーナーでは必ずと言っていいほどイン側を守って走ります。
だから、その時こそレコードラインに移動してコーナーリングスピードを稼ぎ、次のコーナーに勝負を持ってくるわけです。
あくまでも、「イン側に姿を見せる」のは「餌」なのです。

ただし、これはこちらのスピードの関係もありますから、そのタイミングは絶対に間違ってはいけません。
2度と同じ場所で、同じ手は使えないと思って下さい。

上の図では、ヘアピンを勝負所と考えていたとしましょう。
1コーナーで上手く加速できたら、2コーナーからズバッとヘアピンのイン側を狙います。ただし、これは抜けなくとも良いです。
前のドライバーは、右にターンするとき必ず後ろのドライバーが見えますし、内側にいるのですからより一層近くに見えます。
で、次の周はヘアピンのイン側を守ろうとするわけです。
次の周回で、1コーナーの加速に失敗した場合、迷わずヘアピンのイン側に入って下さい。もう一度やり直しなんです。
そして、上手く加速して接近した周回で、レコードラインを通り、次のヘアピンのイン側に入るわけです。

感想や質問は会議室へどうぞ