ホリーたたみのレースリポート

98 Q!MARU SPECIAL CUP In SUGO 開幕戦 1998年4月19日

雪の影響もあって遅れに遅れた開幕戦が、とうとう行われる。
土曜日に行われたフリー走行では、ささき恵一選手(マジカル中村レーシング)は、2秒台のタイムを出してきたが、今一歩マシンの熟成に不満のようだ。10勝目に王手を掛けた堀籠琢巳選手(Team KUMI with 畳のほりごめRacing)は、ぶつけ本番のような状態であったがこちらも2秒台に入れてきてた。まだ、駆動系に悩んでいる様子。前回の耐久戦でエンジンを壊してしまった千葉昭寛選手(畳のほりごめR2)は、事前のテストから好調を持続。明日の決勝は、激戦が予想される。

4月19日、非常に暖かで桜吹雪が舞う中、フリー走行が行われた。まだ、路面温度が上がっていないためか、昨日ほどのタイムは出ないものの、やはり好調は千葉昭寛選手。堀籠琢巳選手は、空燃費に悩んでいるようだ。ここで、良いタイムを出してきたのは、鈴木隆史選手(ラム技研レーシング)。先週のテストからの好調を見せつけた。


タイムトライアル
終止リーダーボードのトップに名前を載せ続けたのは、千葉。堀籠は2秒台に入れるのがやっとのようだ。どうやら駆動系のセッティングが低速側に行きすぎている様子。そして、仲間の応援を背に受けながら打倒堀籠を誓う大坂が3位に食い込んできた。ささき恵一は 前日のタイムを出し切れず、不満の5番手。無限50を引っ提げ初参戦のアトムサーキットの社長、星は8番手のタイム。この後のセットアップに期待したい。

予選ヒート
2番手スタートの堀籠はフォーメーションラップ中にセッティングのミスに気づく。中速の空燃費が薄いのだ。スタートダッシュに賭ける事はできない。他のマシンに気づかれないようにグリッドにマシンを運んだ。
グリーンシグナル。案の定スタートに失敗するが、アウト側からかぶせて2位をキープ。千葉の後ろを追うことになる。どうやら、千葉はリアのグリップが安定していないようだ。4コーナーを切り返す5コーナーでインに並び、トップにつく。千葉の後方には、ささき恵一が迫ってきている。予選ヒート終盤、やはりキャブセッティングが薄かったためか、 加速での失速が出てきた。しかし、どうやら千葉も同じ症状のようだ。堀籠、千葉に続いて3番手でチェッカーを受けたのは鈴木。堀籠はなんとか逃げ切ったものの、ベストラップでは4番手。決勝までは忙しくなりそうだ。

決勝ヒート
だいぶ気温も上がってきた。各ドライバーが空燃費に苦労する理由の一つに、ノイズボックスがあげられる。空気の導入量は多くなったのだが、低回転のエンジンには少々多すぎるようで、それに合わせた燃料をキャブが送り込めないようなのだ。堀籠は、高回転にして薄くすることを避け、ウェイトローラーを調整して低速トルク優先のセッティングをした。千葉も決勝レースでは「濃い目」にするようだ。
スタートで上手く飛び出したのは千葉。しかし、堀籠も1秒から2秒の間隔を保っている。 コーナーでは詰め寄る堀籠だが、ストレートでは千葉が速い。じりじりと詰め寄った堀籠は13コーナーでほんの少しアウトに膨らんだ千葉のインにマシンのノーズをねじ込む。順位は逆転したが。ここからが、堀籠にとって試練となる。ストレートの延びを活かした千葉は何度となく1コーナー2コーナーで並んでくる。しかし、堀籠も動じない。そして、10周以上を凌いだ堀籠がコンマ3秒差で、悲願の10勝目。自分のマシンでは15戦10勝となった。

堀籠選手のコメント
ここのところ、表彰台の中央から離れていたので、とてもうれしい。今までのレースが優勝であろうと、2位3位であろうと、接近戦ではなかったために、今回のレースはタフなレースだった。千葉選手のフェアな走りも称賛に値すると思う。次戦もがんばるよ。